未来が好き?過去が好き? 万博で見つけた「私」と「誰か」のちがい

当初は関心のなかった万博ですが、
お友だちから感想を聞いたり、写真を見せてもらったりするうちに、
「家から電車1本で行ける世界旅行!」と前向きにとらえることにして、思い切って通期パスを購入しました。

182もあるというパビリオンは、どれだけがんばっても制覇できないゲームのようで、
それが、ついつい何度も足を運んでしまう理由の一つかもしれません。

私の場合は仕事柄、各国の、おそらくトップクラスのキュレーターの方々が、
自国を代表して「何を」「どう見せて」「何を伝えようとしているのか」にも興味津々です。
毎回、いろいろな刺激を受け、楽しい学びの場となっています。

パチンコ玉みたいなのがコロコロ動き、砂を盛り上げて絵を描く…下に磁石があるのかな? イスがあれば、もっと長い時間、見ていられそうでした(インドパビリオン)
水が入っているチューブが天井から下がっていて、チューブを触ると冷たかったり温かかったり。クロアチアの5カ所の気温をリアルタイムで再現しているそうです。感じるって大事ですね(クロアチアパビリオン、コモンズC)
これでもかという数の岩塩。色もいろいろ。「さわってもOK、床も岩塩です」とお姉さんが教えてくれました。大阪市立科学館の化学フロアでも、2008年から直径約1mの巨大岩塩を展示して「潮解」に苦労しましたが、このパビリオンでも湿気と暑さの管理で苦労しているとニュースで見ました…そのご苦労、わかります(パキスタンパビリオン,コモンズD)
スリーエムジャパン株式会社のダイクロイックフィルム™を使ったオブジェ。キレイなだけでなく、光と色の実験ができそう!(大阪ヘルスケアパビリオン,タカラベルモント)

毎回のお楽しみは、小学生の娘との“パビリオン談義”。
「今のところ、どのパビリオンがお好み?」と聞くのがおもしろいです。
というのも、私とはまったく好みが違うんです。

娘は「未来志向」。
デバイスを持って、体験型で楽しめるようなパビリオンが好きです。

こういう感じが好きだそうです(電力館)

一方で私は、「過去・実物志向」。
その国の歴史を感じられる、古い資料にトキメキます。
そこに暮らした人々の思いや活動を、資料から垣間見た気がして、ワクワクするのです。

ミケランジェロが完成前に心が折れたという、顔の傷に見える大理石の黒い筋。大理石は自然のものだから…と言っても、ここまで頑張って掘ったのに、この黒い筋が出てきたらそう思いますよね、とミケランジェロに同情(イタリアパビリオン)

どなたかの体験ブログでお勧めされていたパビリオンに行ってみても、「・・・?」と感じることもあります。
万博を訪れるうちに、大人と子どもの違い、他人と自分との違いを実感します。

でも、違っていて当たり前!
もちろん、違っていてOK!
ですよね。

それぞれの国、それぞれの企業の違いも、これまたパビリオンに表れていて、
「良い⇔悪い」「好き⇔嫌い」といったジャッジではなく、
「いろいろだな~」と感じて受けとめられる心を、大切にしたいものです。

どんなパビリオンがお好みかは、行ってみないとわかりません。
ですので、ここでおススメするのは控えておきますね。

1972年、アポロ17号が持ち帰った本物の月の石。「立ち止まらずに見てくださーい」と言われたものの、「え?何個?鏡?本物どれ?万華鏡?」とあわあわしているうちに通り過ぎることになりました(アメリカパビリオン)
アメリカ館の近くにある「あそび場」。ボーネルンドが、デンマーク・コンパン社の大型遊具を取り入れ提供。ここは子どもたちに大人気、娘も大好き。隣に立っていたお母さんに遊び場から駆け寄ってきたお子さんが、「ママ、万博って楽しいね!」と言っていました。がんばって万博に連れてきたお母さんにとっては「ズコっ」かもしれませんね(5月撮影)