福井県立恐竜博物館とハンズ・オン

父の転勤で、子どもの頃は福井県に暮らしていました。その後、父の転勤に合わせて関西に住むようになりましたが、私たち家族は福井の雰囲気が無性に好きで、年に1,2回、遊びに行きます。

いつも宿泊するところの近くにあるのが、福井県立恐竜博物館今回も行ってきました。

こちら、1/10に縮尺され、触ることができる恐竜の金属模型。

さわることのできない実物大の骨格標本前に、さわれるように置かれています。

口に手を突っ込んだ娘…「肉食のティラノサウルスの歯は、やっぱり痛い」。

私…「どれどれ・・・、ほんまや!奥歯もちくちくする!」

 

博物館・ミュージアムでは、「ハンズ・オン」または「体験型展示」という言葉をよく使います。私も前職で使っていた単語です。

“hands on!” 「さわってごらん!」という意味です。

博物館は、歴史的経緯から、どの国でも、「ガラスケースに入れられた貴重な遺品や美術品を、大人が見る」という場所でした。今もそのような役割もありますし、そのことを否定する必要はありません。

ただ、小さな子どもたちは「見る」だけでなく「さわる」ことによって、楽しさが、発見が、何倍にも膨らみます。それは「さわる」という行為が、子どもの自発的なもので、その結果として遊びの一種となり得るからです。子どもは遊びの中で、触りながら、あれこれやってみて、何かを感じ、発見し、探索する、という連続した体験を通して学ぶことが少なくないからです。

そして実は、ハンズ・オンは、大人にとっても楽しいものです。

大人も子どもも、心行くまで触って、発見したことを語り合ったら、博物館がもっと楽しくなりそうです。

私自身は経験を通して「体験型」展示から「体感型」展示を目指すようになりましたが、ハンズ・オンはやっぱり魅力的です。国内外の博物館・ミュージアムでは、今日もスタッフのみなさんが、あれこれ考えて、苦労して、ハンズ・オンの展示を開発しているはずです。