カイロに鉄が入っているなら磁石にくっつくか?実験

今年の2月は寒かったですね。
手が冷たい冷たいと娘が言うので、天気予報で最高気温が5℃くらいの日は、カイロを持って学校へ行っていました。

私が、貼るカイロを使うのを見たことがあっても、
自分でカイロを使うのは初めてで、なんだかとても嬉しそうです。

「振ると、あったかくなるねんでー」
「あったかくなってきた~!」
「中に、鉄の粉が入ってるねんでー。あと、塩とかも入ってるねんで。」
と、「本に書いてあった」という事を、あれこれ教えてくれます。
「カイロを発明した人、すごいよね~」と私もしみじみ。

そして、なんか静かだなあ~と思ったら、実験をしていました。
「カイロに鉄が入っているなら、磁石にくっつくか?」実験です。
実験道具は、磁石が使われているおもちゃです。

そして、以下が、娘の実験結果です↓

1.袋から出したばかりのカイロ(朝、カイロを袋から出したとき)

「くっつく!」
「ほんまに鉄が入ってるんや!」

2.学校から帰ってきたときのカイロ(まだ温かい)

「まだ、くっつく!くっつく!」

2.きのう使って、つめたーくなったカイロ(捨てないで置いてある)

「くっつく!」
「終わっても、くっつくんや!」

本を読んで知っていたことが、自分で実験して確かめて「知っていること」になった瞬間だなぁと思いました。
自分でやってみる、って大切ですよね。
ちなみに娘の感覚では、朝、袋から出したてのカイロが「いちばんくっついた」だそうです。

おまけ:化学の話題
「ママもやらせて~」と実験させてもらったのですが、
1,2,3のくっつき加減の違いは、あるような無いような…でした。
カイロと言えば、鉄の酸化反応で熱が発生する、というのはよく知られていますが、改めて調べてみました。

◇桐灰カイロのホームページ
https://www.kobayashi.co.jp/brand/all-about-hand-warmer/ では、
Fe + 3/4O2 + 3/2H2O → Fe(OH)3 + 96kcal/mol
という化学反応式が紹介されています。
鉄が錆びるときに熱が発生する、という反応式です。
 Fe;鉄
 Fe(OH)3;水酸化鉄(III);水酸化第二鉄 とも言う

さらに、いろいろ見ていると、
◇株式会社オオスミのブログで、分析技術グループの宮崎さんの
「発明品とちょっとした検証」というレポートが紹介されていました。
https://www.o-smi.co.jp/blog/gijyutsu/210224.html
水酸化第二鉄は、実際に存在する化学式を表している訳ではないため、
使用済みの”使い捨てカイロ”の中身を、XRD(粉末X線回折装置)で調べてると、
・ゲーサイト[FeO(OH):αオキシ水酸化鉄]
・マグネタイト[Fe3O4:四酸化三鉄(砂鉄)]
という化合物を含むことわかりました」
だそうです。XRDって、すごい装置ですね。

Wikipedia情報ですが、
ゲーサイトは針鉄鉱(しんてっこう)とも呼ばれ、強磁性体=磁石にくっつく
マグネタイトは磁鉄鉱とも呼ばれ、強い磁性を持っている=磁石にくっつく

ということで、カイロの中の「鉄」は、使う前も、温かいときも、使った後も、
磁石にくっつく鉄、鉄の化合物、なんですね。

12時間とか24時間とか、ほぼ一定の温度で発熱させる化学反応を制御してるって、
カイロ、本当にすごいなと思います。
その中で、こんなに複雑な化学反応が起こってるなんて…深いですね。